大晦日恒例の一年の振り返る。まずは、公私の公から。
今年は、昨年までの大失敗を受けて、その挽回と言うよりも会社そのものの存亡をかけた戦いを一年間にわたって行ってきた。その戦いの結果は「99%の成功」と言っても良いかと思う。お客様と社員、そしてパートナーに心より感謝したい。
昨年までの失敗の原因は2つ。1つは、コストに見合った利益を作るための売上を上げる仕掛けが無かったこと。そしてもう1つは、その原因に対して断固たる手を2年間打たなかった社長としての決断力の無さ。後者は、経営者としての見通しの甘さと間違った社員への信頼と称した放置。後者が最大原因であることは言うまでもない。
その反省に基づいて大鉈を振るわせて貰ったのが、今年の会社方針として「正社員は稼げ。仕事を取ってくるか、自分で売上になれ」。区別無く直接部門に正社員を全シフト。フロント部門は正社員で固める体制に持って行った。かなり大きな波紋を巻き起こした。不満や反発をおこし社内に混乱を起こしたことに対しては率直に謝りたい。
その大幅シフトの中で、今後も心に強く留め置かなくてはならないのは、フロント部門にいた派遣社員の契約打ち切り。正社員を収益に直結させることとともに、コストを可能な限りいったん絞り込むための手法として、全体最適のためには致し方ないと考えた訳だが、本当に会社を建て直すための中で唯一経営者として心が痛むこと。彼女との最後の面談で約束した、会社の建て直しはまだ道半ばであるが、成功しつつあるよと報告できるのが一番年末のホッとしていることかもしれない。
稼ぐためのシフトは、社員の大幅な入替も起こしてしまった。結果論ではあるが、しっかりと自律自考の本質を理解し、実践できる能力と覚悟を持っている残った社員と、新しく求めたキレのある新人が相乗効果をもたらし空気も含め心機一転正しい回転に戻ったと言える。
打った手は、別に奇をてらった物ではない。積極的に外で稼ぐ。とにかく営業する。この2つのみ。
職人社長として、良い物を持っていれば自然と売れる。こんな良くある勘違いをしていたという面も大いなる反省点。また、中小企業の方が小回りが効き、大企業はハンドルを切るのに時間がかかるなんていう固定観念に凝り固まって、お客様の変化に気がつかなかった。見通しの甘さはこんな所に背景があった。
ノウハウを持っていることに甘んじることなく、売らないと、売り込みに行かないと駄目であると言うこと。商売の原点に戻ったのが今年。そして、私自身が独り善がりになることを避けるため、積極的に権限委譲をした。権限委譲ができるようにするために、しっかりとしたコミュニケーションを取る仕組みも導入したこともよっかったと感じる。
会社の空気、雰囲気はすっかり変わった。とにかく打って出る事をいとわないスタッフが揃った。今年の数字を上げることができた背景でもあるが、人材の変化は今年の最大の収穫であろう。
また、間接部門スタッフの献身的な姿勢と、自律自考を間接部門でも実践してくれたことに大いなる謝意を言いたい。3人のスタッフが、自発的に情報共有を進め、受け身ではない理想的な間接部門を自分たちで作ってくれたと感じる。社長も含め今年はフロント部門のスタッフが外に大きく打って出たなかで、会社が手薄になることも多々あったと思われる。トラブル無く一年が過ごせたのは間接部門の先手を打ったサポートがあったからであると、フロント部門は強く理解をすべきである。
来年も今年の状況をどう続けて深化させていくのかを全員で考えていきたい。来年も残り1%の足りない分を追いかける「生きるか死ぬかの戦争状態の継続」と考えて社員諸君は業務に取りかかって欲しい。
残りの1%は今年の99%まで持ち上げた努力よりも大変であると思うのが正しいと思われる。残りの1%が今年の99%に相当する位に考えて欲しい。今年の結果で甘えることなく攻める姿勢を維持して欲しい。今年の姿勢と気持ちに何を付け加えて質を変えていくかを考えて欲しい。
しかし、攻めて出ればエクソンは何とかなることが証明できた事には、素直に自信をもって貰いたい。攻めきれなかった社員は攻めることに気合いを入れ直して欲しい。
さて、来年のテーマは「お客様に選ばれる会社」「インターネットネイティブな会社」
移動体通信業界は、本格的なグローバルプレーヤーとの戦い、SIMフリーを仕上げとした制度変更。そして電波資源のオークション制度の導入など、変化が目白押し。その中で国内市場はボリューム的な飽和感がかわらず強い。出荷台数という面で見れば、スマートフォンをフックに復活の兆しが強くあるが、これをどう捉えるかがポイント。
激変がどちらに転ぶかハッキリとする時期と言っても良いだろう。
激変の中で、お客様がどう動くかを考えて欲しい。コスト要求は激しさを増し、内容に関するレベルは想像以上に高くなる。全ての面で質の激変を要求されると思った方がいい。言い換えれば、選別が強くなると言うこと。ビジネスとして当たり前の事を当たり前に求められる。勝ち残るなどという横柄な言い方ではなく、生き残りをどうするかというレベルで自分の会社の存在を考えて欲しい。そして自分自身の強みを磨いて欲しい。
お客様に選んでいただくために何をすべきか。
激変をチャンスと捉えることがまず姿勢としての課題。ここは、積極的に打って出る体制が出来上がったので余り心配はしていない。現実問題として大きいのは、2011年のコスト構造(収支両面)の更なる変更。
収は、現状のコンサルティングビジネスのボリュームを維持しつつ、新規顧客の開拓を進めること。売上ポートフォリオを2011年に変更できなかったら、再来年2012年のEXONは確実にシュリンクをすることになる。このシュリンクは2010年のシュリンクとは意味が全く違うのは覚悟して欲しい。
支は、自分自身が商品となり、売り上げられる社員の育成強化による売上原価構成の修正。一般管理費などは人件費を除いて絞るだけ絞った。人件費は基本的に質の良い売上を上げることを前提に、絞るつもりは全くない。この方針は昔からぶれていない。もちろん、見合った売上に相当しない人件費は厳しいようだが構成を修正せざるを得ない。ここは、エクソンの「自分の食い扶持は自分で稼げ。でもこれでは半人前。人にメシを食わせて一人前」という職人集団たるゆえんの考え方に基づいている。
そして、スマートフォンをどう捉えるか。この部分は来年以降のサービス戦略に関連する部分なので本記事では詳しくは書かないが、一言で言えば「ケータイ業界がキャリアネイティブからインターネットネイティブになる」ということ。
エクソンは、今までキャリアネイティブとして独特のノウハウを保有してきたが、今後はそれに合わせてインターネットネイティブなノウハウを提供して行かなくては生き残ることはできない。
そのためには、来年は社員全員がインターネットネイティブになることを約束して欲しい。エクソンの言うインターネットネイティブとは何か。自問自答して欲しい。いや、自問自答している暇があったら飛び込んで欲しい。
さて公私の私。
家族が健康で過ごせた事が全て。これ以上の恵みはない。家にもいない、帰ってくるのも遅い。土日も家族サービスは無い。父親亭主としてはかなり偏っていると自覚しているが、それを許容してくれる最高の家族にはいくら感謝してもしきれない。
そろそろ、倅はドンドンと自立していくことになると思われる。新しい関わりをどう作っていくのか楽しみである。女房は大物振りに拍車がかかり、倅と苦笑することも多いが、家族への献身的な姿勢は最高のパートナーである。
日常で細かく子育てができないので、できるだけ集中して何かを与えたいと考えている。今年は、年末に飛行機の操縦をさせて、パイロットなる職業のイメージを具体的に持って貰う体験を与えた。来年は、スケジュールが合えば種子島のロケットセンターに行って、H-2Bロケットの打ち上げを一緒に見てみたい。
ロケットの航跡から空を見上げる。空への憧れと想像力を強く持たせたい。
2011年もエクソンの立て直しを業界の激変の中で行わなくてはならない。戦争状態はまだ数年続く。緊張感の連続ではあるが、史上最強の社員そして家族と一緒にやっていけることを神に感謝したい。
あと、来年は今年から飲み始めたクスリの量を減らす。そのためには軽量化。精神はスポーティなつもりだが、肉体もスポーティに改造したい。
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