「月よりも癌」だったか、先日のニュースステーションで、寺島実郎氏がこんな表現を使っていました。つまり、人間社会はややもするとロケットとか宇宙とか、自分の生活に直結しないお金の使い方を無駄遣いとみなして渋り、そしてガン対策のような生活直結の予算を厚くし勝ちだ、という意味合いです。今、私も取り組んでいる国の事業仕分けの課題の一つとして、こう表現されました。要は、額の大きい科学技術予算はターゲットになり易い、ということです。氏によれば、それが横行すれば、この日本という国は、「ちじこまった」国になってしまうだろう、とのことです。 その言わんとすることは、私にも大変よく分かります。縮こまってもいけないし、しかし一方で夢にばかり巨額を投じることも許されるはずもありません。また、世の中にはロケットの専門家でありながら、かつガン治療技術の専門家というケースもまずありません。予算配分に「正解」はありません。要は、判断をする立場にある者の見識、バランス感覚、ビジョン、哲学などが問われる困難な作業だということでしょう。あさっても、原子力政策などについて仕分けが行われる予定です。
via www.k-tajima.net
地元の民主党議員さんの日記から。基本的にはこの議員さんを支持しているという前提で。
民主党が行っている「仕分け作業」。これそのものは、白日の下に予算が晒されるという面では良いと思うのだが・・・。
あの一言にはがっかりしたな「世界一じゃ無くてはいけないんですか?」テレビ上がりの女性議員の一言。タダの圧迫面接じゃないか。多分、テレビなんで前後の話がカットされているのは承知の助だが・・・あれは政治家の発言として余りに見識が無いでしょう。
昨日、そのニュースを坊ちゃマンと一緒に見ていたときに思わず「おまえ、アホか?当たり前やろ。科学技術は世界一を目指さないでどーするんだ?」と叫んでしまった。
日本の将来は科学技術にだけあると断言するつもりはないが、科学技術と言う面だけで見たら、人類の進歩は「未踏の地を目指したこと」と「世界一の性能と機能」を目指したからこそだと声を大にして言いたい。
確かに、スーパーコンピューターが今この経済財政環境のなかで優先順位が高いのか、GXロケットがコマーシャルベースに乗るのかという議論は必要だろう。でも、あの一言で正直言ってがっかりしたな。
土建屋さんも巨大産業。ITも巨大産業。ロケットなどのシステム設備系も巨大産業。という意味では、利権が絡むのはあるだろうて。そこにメスを入れるのは民主党の仕事だと思うんだが・・・進歩という「正の側面」を理解していないと思われるような「仕分け人」にバッサバッサとやられる科学者達の心情を思うと胸が痛む。
巨大科学大好きオヤジとしては、ここでこそ「政治主導」で日本の巨大科学の未来に火ををともして欲しいぞ。予算削減ありきも当然のこととして理解をした上での意見。
子ども手当などで、大人の生活に希望を持たせるのも大事だけど、小さな子どもに夢や憧れを持たせられないのはおかしくね?
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