よく言われる話だが、日本人は撤退戦ができないコトが多い。戦線が不利になってきたら、隊形を整えられる所まで前線を後退する戦略を取ることができず、自爆することが多い(太平洋戦争なんか典型)。
経営の使命は2つあって、1つは稼ぐためのグランドデザインを描きその進捗を検証修正。もう一つは戦況を正確に判断し撤退の決断をすること。こんな所かなと思っている。零細企業の親方は他にも細々とやらなくてはならないことがたくさんあるが、日常のオペレーションは番頭や管理職に委任することができること。
私も、実は30年近い社長歴の中で2度ほど撤退戦を行っている。
1度目は家業であった鉄工所からの転業。そして、もう一度は2009年のリストラである。
2度目の撤退戦は、結果的には反転攻勢が成功しているが、自分的にはもう半年決断が早くしていればもっと状況は違っていたかなと大いに反省をしている。けっして、結果的に撤退戦が成功した綺麗事を書きたいのでは無いのは誤解の無きよう。撤退戦を展開する中で、やむなく社員にやめていって貰った事実もある。私の方針や考え方に共感理解できずにやめていった社員もいる。
撤退戦は、現実問題血を流す人間も多数発生。また、残った社員もモチベーションをどう維持していくか。通常の前進戦よりも難しい。
昨日は、懇意にしているお店の閉店。オーナーの苦渋の決断だったことが肌身によくわかり、同じ経営者として身につまされた。しかし、聡明な若いオーナーは自滅前に良い決断をしたのでは無いかと思う。これ以上、突っ込んだら最悪の結果もあったのではないかと想像。
この時計に込められた気が、続く縁ということで。
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