名著だな。人として、大人として、職業人として、親としての矜持がはっきり判る。鷲と同様の考えがそっくり出ていたので引用。まぁ、無能なビジネスマンと断言するまでの矜持を持ち合わせていないが・・・。
小説を書いた後には、リゾートに行ってリフレッシュしたいとか、リラックスしたいとか思わない。リゾートに行きたくなるのは、執筆以外の煩わしさから逃れたいときだ。リラックスができて、かつ集中して仕事ができる人は。実はオンとオフの区別がない。全力で取り組む懸案の仕事を妥協なく終わらせたいという欲求はあるが、早くオフを楽しみたいなどとは思わない。「充実した仕事のためには心躍るオフの時間が必要だ」というのは、無能なビジネスマンをターゲットとして、コマーシャリズムが垂れ流し続ける嘘である。
「無趣味のすすめ」 村上龍 幻冬舎 ISBN978-4-344-01661-3 63ページ~64ページより。
以前からここに書き記ししているが、現実としてビジネスをしているとオンとオフの区別は曜日や時間などでつくことはない。ビジネスマンとしてお客様からの要求や要望は常に頭の中を駆け巡っているはず。だとしたら、甘んじてそれを受け入れ、オンオフを仕事も含む日常の中で自らの意志と展望の中で切り替えるのがプロとしての矜持だと常々思っている。
もちろん、誤解をしないで欲しいのだが、休みの日に仕事をしなくてはならないとか、寝る間を削って仕事をするのがプロだなんてことを言うつもりはない。それに、仕事が趣味であるなんてことは口が裂けても言う気もない。
しかし、覚悟を持って取り組まなくてはいけない時期が必ず誰にしてもある中で、プロとしての矜持が無いようなビジネスマンは成長も無いだろうし、これからの時代どういう結果になるのかは自明の理であると考えている。
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