新銀行東京はこの後どうなるのか。確かに「中小企業とベンチャーへの資金供給」を旗印とする金融機関としての志は正しいと思うのだが。
ただ、ビジネスとして考えたときに、都銀や地銀や信金信組とどういう違いを出すつもりだったのか。自己資金や投資家資金ならいざ知らず、公的資金で作られた金融機関として、どこまでリスクを取るのが志しの限界だったのかなぁ。また、ライバルとしてはノンバンクのSFCGやロプロもあったはず。
お役人様のやるべき仕事ではなかったんだろうなぁ。制度融資の拡充と保証枠の充実という、本来の公的立場の限界の中でやっておけばよかったのではないかと。まぁ、これは結果論か。
たぶん、このあと新銀行東京がグッドバンクになる可能性は、限りなく小さい気がする。行くも地獄、引くも地獄で都の選択は「行く地獄」。この先に誰かが責任を取るのなら、この選択肢もありだと思うが、環境的に生き残りすら厳しいでしょう。
借りている事業主がいるので、その人たちのことを考えると気の毒なような気もするが、そこはちゃんとした信用力のある企業なら「制度融資の拡充」で救えばよし。そもそも「破綻懸念先」であれば、これは残念ながら逝ってもらうしかないでしょう。延命処置は、貸し出し側、借り入れ側とともに損失の拡大だとおもうのだが。
石原都知事の魅力である積極性は評価するとして・・・。
この銀行のおかげで救われた中小企業が存在するのも事実(そのあとは、たぶん地銀やメガバンクのプロパー資金に横取りされているのだろうが・・・かわいそうに)。なんでも新銀行東京がダメということではないと思うんだなぁ。
ぜひ、積極的に手じまいのリードをして欲しいな。石原の親分には。不動産がらみの不良債権は少ないんだろうから、ややこしい話も少ないだろう。普通の金融機関とかと違って、その辺はスムースに終われれると思うのだが。
つうか、この新代表。バンカーの顔じゃないよ(苦笑)。典型的なお役人様の顔。バンカーの使命は何か?市場秩序を鑑みながら信用創造。お役人様の使命は何は?法規に則り社会構造を支える。ある意味、正反対の仕事だと思うのだが・・・顔で決めちゃいかんか。
>ワラビーさん
構想そのものはよかったと思うんですが、企画から実行段階で無理があったんでしょうか。今回、金融庁が静観しているのも不思議。
>ituさん
よかった、同じ感想の人がいて(笑)。顔で決め手はいけませんが、雰囲気って大事ですよね。
投稿情報: ara3 | 2008年3 月17日 (月曜日) 05時24分
バンカーの顔じゃない、は賛成です。
顔に違和感がありました。
投稿情報: itu | 2008年3 月16日 (日曜日) 21時55分
ara3さん
新銀行東京は早々に手仕舞いする、という案に1票投票です。
客観的合理性のある再生シナリオがない限り、損切り&手仕舞いが鉄則。
これ以上傷口を広げて誰が責任を取れるのか。
そのときの責任を、誰がどのように取るかを決めてから再生の検討をしてほしいと思います。
素人に、”貸し手の審査能力”があるとは思えない。
そもそもが沈むしかないシナリオで船出した戦艦大和が重なりますね。
投稿情報: ワラビー | 2008年3 月16日 (日曜日) 15時59分