名古屋のお客様事務所のそばには、昭和そのものスタイルの喫茶店と、オーガニックをテーマにしたこだわり喫茶店。いつの間にか、こだわり喫茶店が閉店している。美味しかったのに残念。
オフィス街という場所柄、昭和喫茶はオヤジ達のデイリーたむろ場。オーガニックは、時に立ち寄るOLさんの憩いの場。こんな感じの違いを感じていた。
客単価も違えば、品揃えも、接客スタイルも全く違う。どっちが良いとか悪いとかでは無く、サービスはお客様に受け入れられた方が正解。昭和喫茶も、何か気になる点でもあればお客様は長続きしない。
「自分のコンセプトにこだわる」
これは、大事なことでもあるが、商売としては落とし穴でもあると思われる。良いモノを作れば、良いモノを提供すれば。これは誰しもが商売を行う上で考える事だが、買っていただけなければ単なるマスターベーション。我を通して、自分を貫いて行くことは生き様としては美しいが、ビジネスとしたときに、マスターベーションとして終わってしまったら、自分が傷つくだけ。
「こだわり」は重要だが、スパイスとしてのこだわりが一般的には正解。芯からこだわりたいなら、マーケティングをしっかりすること、プロモーションをしっかりすること、受け入れてくれるリピート顧客が採算ラインに乗るまでの潤沢な資金を用意すること。
一言で言ってしまえば、「戦略無きこだわりは自爆の根源」ということ。
その時に、どう合わせるか。その次に、どう合わせるか。柔軟性をもつことが生き残ることの最低条件。
起業するときにはこだわりたい気持ちはよくわかる。それが差違化の原点だから。ただ、顧客のいないところで差違化しても意味ないということ。
起業の一歩は「誰がお客様」と「何を商品とするか」。「商品をどう作るか」「商品をどう提供するか」は、次の次。もちろん、世の中に無いようなイノベーションサービスの場合は別。しかし、そんなビジネスは100万分の1の確率だということが、判らないヒトが多い。
まぁ、夢広がる、自分を表現できる。そんなハイテンションな状況の中で、内向き(マスターベーション)になっていないかどうかが、プロフェッショナルとして必須の客観性。
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